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著書:  自由(意志の構造)上


                     第1部第2章 意志の構造

 心に思っているだけではだめ、決心しなければ。決心しただけではだめ、口にださなければ。口に出しただけではだめ、態度で示さなければ。態度で示しただけではだめ、相手の気持ちを確かめなければ。そして、心に思わなければだめ。
 それは意志の問題だ。自由であるか否か。それは、あなたの意志の問題だ。
 人を好きになるにせよ、旅に出るにせよ、仕事を選ぶにせよ、そう、自分の生き様、在り方を決めるのは、あなたの意志の問題だ。そして、それは、自己中心の問題だ。
 個人主義も利己主義も、自己中心の思想である。その意味において、個人主義と利己主義は、同腹の兄弟のようなものだ。しかし、両者には本質的な差がある。そして、その差が一方には善と意志を、一方には悪と欲望とを人間にもたらす。
 個人主義と利己主義は、表裏をなす思想である。故に、その表現されたものは、よく近似しており、一見しただけでは見わけがつかない場合が多い。
 又、社会が複雑化し、価値観が多様化した今日、個人主義との境目が益々不明瞭となり、混乱が増幅されてきた。
 しかも、利己主義は同じ自己中心思想である個人主義を隠れ蓑とする場合が多く、その為に個人主義の普及は、利己主義の蔓延を結果的にもたらした。故に、高度に発達した個人主義社会は、同時に、高度に発達した利己主義社会であるという矛盾を現出せしめたのである。ここに現代社会の病根がある。
 個人主義と利己主義の差を明確にする事、それが、すなわち健全な社会の発展を約束するものなのである。


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