自分ってなあに

自分を知ると言う事

あなたの顔をあなたは、直接見ることはできない。
あなたの顔は、鏡に写さないと見ることはできない。
あなたの顔は、あなたが直接見ることのできない、ただ、一つの顔。

自分を知るためには、自分を現世に現し、
現世の対象に映し出さなければならない。
自分というのは、直接認識できない
間接的認識対象なのです。
自分と外界とは、このような一種の鏡像関係にある。

話さなければ、自分は聞こえない。
映さなければ、自分は見えない。
触らなければ、自分は感じない。
自分は、自分一人では、わからない。
自分って、そういう存在。

自分というのは、本来、自分以外の人にとって迷惑な存在です。
だって、自分の顔一つ、自分では、見ることができないのだから。
よく他人に、迷惑を、かけなければ、何をしてもいいと、教える人がいます。これは、大変な間違いです。
そんなことを言うから、人に迷惑をかけずにいられると思いこむ。
迷惑なんです。あなたの存在そのものが。
だから、いけませんか。
仕方ないじゃない。神様が、そうこしらえたんだから。
それより、感謝しないのが悪い。

親に、迷惑をかけない子供はいません。
大きくなってから、育てるのが、大変だったなどというから、ぐれるのです。

親に、迷惑をかけながら成長をし、人に、迷惑をかけながら生きていく。
だから、感謝するのです。
感謝をする事を、覚えなければ、生きていけないのです。
生きると言う事はそういうことです。

自分を知らなければ自由になれない。
なぜなら、自分を不自由にしているのは、自分だから。
だって、自分を、縛り付けているのは、自分じゃあないか。
この世の根本の原因は、自分だから。
全ての源は自分だから。
自分を解放するのは、自分だから。
だから、自分を知らなければ、自由になれない。

自分というのは、厄介な者だ。
ひょっとすると、自分の顔を、一番、知らないのは、自分かもしれない。
何せ、直接見ることのできない、唯一の顔なんだから。
自分のことは、自分が、一番しているって。
本当にそうかな。
一番わかっていないのが自分だったりして。
自分ってそういう存在。

自分を知るためには、世間を通さなければならない。
それだけでも、世間には、迷惑な話だ。
だから、自分というのは、迷惑な存在なんだ。
でも、迷惑をかけて、何が、悪い。
自分が迷惑をかけると言う事は、世間の皆が迷惑を自分にかけているのと変わりない。
だいたい、親は、子に迷惑をかけて欲しいものだ。
水くさいことを言うな。
迷惑をかけない、友達なんて、何なんだ。
ただ、感謝しないから嫌なんだ。
俺は、他人に迷惑をかけずに生きてきたなんて言う奴は、自覚していないだけ。
そういう奴は、感謝なんてしない。
ありがとうの一声で、迷惑なんてすっ飛ぶ。
自分を知らないという事は恐ろしい。

　　　　　　　　

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